【1548年】真田氏の六文銭 に学ぶモチベーションマネジメント
こんにちは!さなでぃーです。
このブログでは、歴史上の人物の行動や、その歴史自体から
現代のビジネスや生活に活かせる”学び”を超シンプルに考察しています。
今回は真田氏の家紋である六文銭から、
学んでいきましょう。
1.1548年当時の日本
世は戦国時代。関東では武田家、北条家、今川家、長尾家が力を持ち覇を争っていました。
この年、越後の長尾景虎が長尾家の家督を継ぎ、越後守護代となります。
真田家にフォーカスしてみると、
1541年 海野平の戦いにより海野一族は敗北して上野へ亡命
1548年 江戸時代初期の『甲陽軍鑑』に拠れば、上田原の戦いに板垣信方の脇備として参戦
1553年 葛尾城が落城した村上義清は越後国へ逃れ、真田幸綱(幸隆)は旧領を完全に回復
など失った故郷の地を回復するためのスタート時期であったことが分かります。
※なお六文銭を使うようになった時期については、真田幸隆(幸綱)が武田信玄に仕えた際に旗印として採用したという説や、武田家滅亡後に北条氏との一戦で勝利してから採用したとする説などがあります。
<1548年に誕生した主な武将>
榊原康政(さかきばらやすまさ)
本多忠勝(ほんだただかつ)
斎藤龍興(さいとうたつおき)
山名豊国(やまなとよくに)
高橋紹運(たかはしじょううん)
2.六文銭(ろくもんせん)とは
真田家の旗印である「六文銭」は三途の川を渡るための船賃という不吉な意味です。
真田幸綱(幸隆)はかつて仕えていた山内上杉家を見限り、身命を賭して武田家に仕えて家名を残す覚悟で、この旗印を用いたといわれています。
六文銭について、もう少し掘り下げますと、
背景には仏教があり、三途の川での渡し賃は、六文であると当時、信じられていたのです。
旅人はいつ死んでも大丈夫なように、衣服の裾に六文銭を縫い付けたと言われ、戦国時代に戦った足軽なども、そのようにしていたと言われています。
そもそも、三途の川と言うのは、三筋の川がある言う意味でして、渡河方法が三種類あったとされます。
善人だった人は金銀七宝で作られた「橋」を渡れます。
軽い罪人だった場合には、山水瀬と呼ばれる浅瀬を渡れます。
重い罪人は強深瀬、あるいは江深淵と呼ばれた難所を渡ります。
平安時代の末期になると「橋を渡る」と言うのが無くなって、全員が「川を渡る」と言う事になります。
そして、そのあとには、全員が「渡舟」で渡河するという考え方に変化しました。
具体的には、三途の川のほとりに木があって、そこに奪衣婆と懸衣翁がおり、
婆は渡し賃(六文銭)を持たない人が来れば、衣服を奪い取ると言われています。
そのため、死んだ際には六文銭を持っていれば安心だと言う事になったのです。
六文って、いくらくらいかと申しますと、江戸初期の貨幣価値で、今で言う300円程度となります。
すなわち、50円が6枚ほどです。
金額はお賽銭程度ですが、金額は重要ではなく、その”気持ち”が重要であったと考えられます。
ちなみに、なぜ六文かというと、「六道仙人」に最終的に渡すためであったと考えられているようです。
ここでは趣旨から外れてしまうので省略いたしますが、興味のある方は是非掘り下げて調べてみてください。
そのような六文銭をなぜ真田家の家紋にしたかについて、諸説ありますが
「いついかなるときにおいても死をいとわない不惜身命の決意で望んでいることを示していた」 といわれています。
領地を回復するための決死の覚悟が伝わってきます。
3.六文銭に学ぶモチベーションマネジメント
六文銭を家紋としたことによる効果、
および現在における学びは以下の2点あると考えられます。
1.臣下(部下)のフィルタリング
死を意識すること自体はマイナスの印象が強いですが、逆にそれを覚悟したものだけが残り、全員が死をも恐れず、一致団結したことで最大限のパフォーマンスを発揮したと考えられます。
現代ではこのレベルでの覚悟を集団で強いるのは難しいですが、理念や目標など、共通認識となる部分に強く共感するかどうかは重要なポイントであると考えます。
(個人的には、能力が多少低くても、こういった人材の方が活躍する印象です。)
2.相手への威嚇
「死をも恐れぬ」覚悟をした真田家の兵が迫った時、それに対抗できるのは当然同じレベルの覚悟を持った兵のみです。
実際、恐れをなして逃げた兵もいたと言われていますから相当なものだったのではないかと思われます。
現代でも、こういった”覚悟”や”熱意”が人の心を打つことは多いです。
例えば営業などのシーンで、
「なぜこのような商品を開発したのか?」
「なぜあなたに使ってほしいのか?」
「なぜ私がこの仕事をしているのか?」など
熱意を持って伝えることで、多少の競争力の差は覆すことが出来るかもしれません。
全員がそんな営業マンだったら・・・
ライバル会社も恐れをなすことでしょう。